温泉まめ知識

                  

温泉療養について

     

近年発達した化学療法や外科的療法は、しばしば急速に効果を現わし、正しい適応症のもとに行われた場合の奏効率は大きい。また、その効果は急性症の場合に特にいちじるしい。一方、温泉療法は奏効に時間がかかり、急性進行性の病状にはめったに適応がない変わりに、発病予防、慢性病の回復や修復促進、社会生活再適応助長、健康保持に役立ち、発達しつつある近代医療の欠落を補う役割を持っている。
また、温泉療養の中には温泉自身の応用以外において類似した所のある多くの物理療法、運動療法、休養、食餌療法などはもっともしばしば併用されるところである。また療養期間中に患者に適した生活指導を行うことも重要で、社会復帰に役立つ。
ヨーロッパの温泉は、おのおの特殊な適応症を誇り、シーズン中には専門医が集まるので、レベルの高い診断が行われ、勤務地に戻ってからの療養指導までが家庭医と連絡して実施されるのである。
大気も水も汚染が進み、騒音と人工照明で昼夜のリズムが乱され、社会でも家庭でも心身のストレスにみちた都会人、自ら招いた薬害と加工食品、過保護、運動不足などによって、天から授かった防衛能力をそこなった人々を保護再試練し、自然のリズムを回復させる健康保養地として温泉は活用されなければならない。療養温泉はこのような意味において温泉自身を大切に保護するのみならず、療養地としての環境作りに留意しなければその目的を達し難い。

温泉療養の期間は、日本では欧米に比し高温頻回浴の習慣があるせいか、一まわり7〜10日の短い湯治を行っている温泉場もあります。
学問的には、温泉浴に対する生体反応の推移、温泉効果における慣れの現象の発現、温泉の長期効果と湯治期間との関係、温泉の化学成分経皮吸収度の推移等のいずれの諸点からみても、温泉療養には最低2週間、なるべくは3〜4週を必要かつ適当とすることが推定されている。
鉱泉(温泉)の定義は、”こちら”をご覧下さい。鉱泉(温泉)のうち、特に治療の目的に供しうるものを”療養泉”としての別に定義があります。療養泉の定義は、”こちら”をご覧下さい。大涌谷温泉が、”療養泉”であることがお分かり頂けると思います。
温泉と健康はきっても切り離せないものなのかもしれません。


※(社)日本温泉協会発行 温泉療養の指針(大島 良雄、矢野 良一 共著)より文章を引用させて頂きました。